第20回歴史地震研究会・研究発表会開催

 今年(2003年)は1703年元禄関東地震からちょうど300年を迎えました.そこで第20回歴史地震研究会研究発表会を,9月5日(金)に千葉県佐倉市歴史民俗博物館6日(土)には場所を移動して九十九里町中央公民館で開催しました.7日(日)には野外見学会を行い,九十九里町・大網白里町の元禄津波碑,小湊誕生寺明応津波痕跡,元禄地震隆起によって形成された千倉の海岸段丘などを見学しました.

 

2日めの会場となったサンライズ九十九里(左)および九十九里町中央公民館(右)


日程・講演プログラム

9月5日(金) 研究発表会1日目・懇親会

10時−16時 研究発表会 千葉県佐倉市 国立歴史民俗博物館内会議室

[歴史津波の研究](10時−12時15分)
山下文男
 三陸海岸・田老町における津波防潮堤建造の歩み[概要]
渡邊偉夫
 日本近海における津波地震分布および逆津波地震分布(序)
志方建仁・村上仁士・島田富美男・上月康則・杉本卓司
 津波来襲時および浸水後における人的・物的被害に及ぼす内水排除機能の影響
佐竹健治・七山 太・山木 滋
 津波堆積物・津波計算からみた北海道東部の歴史地震
西村裕一・平川一臣・中村有吾・宮地直道・小松正義
 津波堆積物の特徴からみた北海道東部太平洋岸の歴史津波の特性
七山 太
 [講演要旨]津波は陸上遡上時にどのような痕跡を残すのか?−堆積学的手法に基づく北海道沿岸域の検討例−
七山 太
 [講演要旨]カムチャッカ半島東岸の津波痕跡(研究紹介)−The International Workshop "LOCAL TSUNAMI WARNING AND MITIGATION" 2002参加報告−
山本尚明
 瀬戸内海の歴史地震津波について
行谷佑一・都司嘉宣・上田和枝
 寛政五年(1793)正月七日宮城県沖地震の津波記録に基づいた震源パラメータの推定

[歴史地震の研究](14時−16時30分)
宍倉正展・永井節治・二階堂 学・木曽教育会濃ヶ池調査研究会
 木曽谷で起こった13世紀頃の地震(続報)―濃ヶ池の出現・消失との関係―
坂部和夫
 天正地震(1586年)時の飛騨白川郷荘川村における大規模山体崩壊について
秋 教昇・都司嘉宣
 李朝粛宗七年(1681)韓国東海岸の地震による雪岳山神興寺継祖窟付近の岩石崩落痕跡
宇佐美龍夫・渡邊 健・八代和彦・中村亮一
 重量ブーゲー異常と震度との関係-善光寺地震の場合-
井上公夫・飯沼達夫・今村隆正・長井義樹
 善光寺地震(1847)池田組大絵図に描かれた土砂災害の紹介
松浦律子・中村 操・茅野一郎・唐鎌郁夫
 1847年善光寺地震などの震度による規模検討
西山昭仁
 安政南海地震(1854)における大坂での震災対応
今村隆正・井上公夫
 防災活動に捧げた金原明善の生涯−特に濃尾地震(1891)後の現地調査写真の紹介−

17時45分―18時30分 総会に向けての打ち合わせ会議(幹事および各委員会委員) 国民宿舎・サンライズ九十九里
18時30分−20時30分 懇親会

9月6日(土) 研究発表会2日目・市民講演会・総会

9時−12時30分 研究発表会 九十九里中央公民館講堂

[一般講演](9時−10時15分)
林 豊
 大正三年桜島噴火に先立って発生した地震の規模の推定
大谷 寛・村上仁士・上月康則・志方建仁
 体験談に基づく徳島市における昭和南海地震の被害様相再現へのアプローチ
武村雅之・神田克久
 震度データのインバージョン解析による明治以後宮城県沖で発生した地震の分類
吉村昌宏・坪川博彰・藤原賢也
 被害想定のための歴史地震面震源モデル調査
河内一男
 信濃川下流・河口沖合の地震テクトニクス

[房総(関東)における歴史地震・津波の研究](10時30分−12時30分)
羽鳥徳太郎
 1677年延宝房総沖津波の波高偏差
都司嘉宣
 千葉県市川市原木の大屋家日記に記された有感地震記録について
都司嘉宣
 元禄地震(1703)による房総半島での詳細被害分布
宍倉正展
 1703年元禄関東地震に伴う地殻上下変動と過去の関東地震
藤原 治・鎌滝孝信
 堆積物からみた南関東におけるプレート間地震の再来間隔
小山真人・西山昭仁・井上公夫・角谷ひとみ・冨田陽子
 『伊能景利日記』に記された富士山宝永噴火の推移
中村 操・茅野一郎・松浦律子
 安政江戸地震の首都圏での被害
武村雅之
 大正関東地震による千葉県内での詳細震度分布と今後の地震

13時30分−16時30分 市民講演会 九十九里中央公民館講堂

講演者と題目
 古山豊(御宿高校)「外房における元禄地震津波碑について」
 岡田義光(防災科学技術研究所)「房総半島の地震活動」
 都司嘉宣(東大地震研)「九十九里海岸を襲った延宝5年(1677)、元禄16年(1703)地震津波に学ぶ」
 浅尾一巳(千葉県消防地震防災課)「千葉県の地震防災」

司会:伊藤和明(元NHK解説委員)

17時30分−18時30分 歴史地震研究会総会  国民宿舎サンライズ九十九里

9月7日(日) 巡検「元禄地震津波を現地に見る」 案内者:宍倉正展・都司嘉宣

1.九十九里町真亀 浄泰寺 津波碑
2.大網白里町北今泉 等覚寺 津波碑
3.天津小湊町小湊 誕生寺 津波碑
4.千倉町千田 海岸段丘の観察
この後,希望者は安房博物館の企画展を見学.


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