第19回歴史地震研究会


立山カルデラ博物館(左),常願寺川沿いの大転石(右)

 歴史地震研究会の第19回研究発表会は,安政五年(1858年)の安政飛越地震の起きた富山県立山町で,立山砂防工事事務所,立山カルデラ砂防博物館,立山町および大山町の御支援を得て開催されました.

1. 全体日程
 9月7日(土)13時−18時 研究発表会(前半) ホテルグリーンビュー立山にて 
 9月7日(土)18時−18時半 歴史地震研究会 総会
 9月8日(日)8時半−12時半 研究発表会(後半) ホテルグリーンビュー立山にて
 9月8日(日)14時−17時 市民講演会 立山カルデラ砂防博物館映像ホールにて
  「検証・1858年飛越地震」講師:伊藤和明・都司嘉宜・川崎一朗・竹内章・渡部文人・佐伯金蔵
 9月8日(日)18時−20時 懇親会  ホテルグリーンビュー立山にて  
 9月9日(月)午前―午後   巡検見学会
   (A)、(B)班:立山カルデラ内見学、(C)班:富山平野内見学。
         

2.研究発表会の内容
  平成14年9月7日(土)13時−18時 場所:ホテル・グリーンビュー立山2階 
『歴史地震研究発表会プログラム』(19講演) 1人15分,途中休憩15分


 [歴史地震研究方法論]
(1)13:00 宇佐美龍夫・渡邊 健・八代和彦・中村亮一
    『歴史史料の「日記」の地震記事について』
(2)13:15 島崎邦彦・ワヒュートゥリヨソ・塚越芳樹
    『歴史地震データによる確率的地震危険度モデルの評価』
(3)13:30 榎本祐嗣  『地震史料にみる”空の赤気と白気立つ”現象について』
(4)13:45 武村雅之・神田克久・宇佐美龍夫
    『震度分布データから推定される歴史地震の震源過程:南海・東海地震を例に』
(5)14:00 佐竹健治  
    『千島海溝における大地震の履歴を東北地方の江戸時代史料から推定する試み』


 [歴史上のさまざまな地震]
(6)14:15 早川由紀夫・森田 悌・中嶋田絵美・加部二生
    『類聚国史に書かれた818年の地震と赤城山南斜面に残された9世紀の地変』
(7)14:30 宍倉正展・遠田晋次・苅谷愛彦・永井節治・二階堂学・高瀬信一
    『地形・地質調査から明らかになった木曽谷における13世紀頃の地震』
(8)14:45 坂部和夫 『天正地震(1586年)時の飛騨白川郷における大規模山体崩壊による庄川の堰き止めとその浸水域』
 <休憩>15:00
(9)15:15 小松原琢・水野清秀・松山紀香・細矢卓志・徳田博明・藤根久
    『旧湖岸線高度変化からみた堅田断層の活動履歴』
(10)15:30 北原糸子・小松原琢
    『寛文地震(1662)の堅田における地変の有無−延宝検地帳の分析から』
(11)15:45 今村隆正・井上公夫・西山昭仁
    『琵琶湖西岸地震(1662)と町居崩れによる天然ダムの形成と決壊』
(12)16:00 都司嘉宣 『元禄関東地震(1703)による江戸市中の詳細被害分布』
(13)16:15 西山昭仁 『宝永地震(1707)における大坂での震災対応』
(14)16:30 井上公夫・角谷ひとみ・今村隆正『島原四月朔地震(1792)と島原大変による地形変化−2』
(15)16:45 河内一男 『三条地震(1828)に伴う異常現象―「小泉蒼軒文庫」から』
(16)17:00 中村 操 『安政江戸地震(1855/11/11)の江戸周辺の被害』
(17)17:15 武村雅之・諸井孝文 『1923年関東地震による東京での強震動分布の特徴』
(18)17:30 川邉 洋 『台湾中部の地震により繰り返し発生する雲林県草嶺の大規模崩壊』


 [学会報告]
(19)17:45 石橋克彦・北原糸子・佐竹健治  『イタリアにおける歴史地震ワークショップの報告』


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 平成14年9月8日 8時半−12時半 (16講演) 1人15分,途中休憩10分


 [歴史上のさまざまな火山活動]
(20)8:30 中村有吾・平川一臣 『有珠山1663年噴火と有珠bテフラに関する新知見』
(21)8:45 小山真人・鈴木雄介・千葉達朗・西山昭仁・角谷ひとみ・井上公夫 『富士山貞観噴火・宝永噴火の推移―2002年夏までの成果』
(22)9:00 林 豊・小山真人 『宝永四年富士山噴火に先だって発生した地震の規模の推定』
(23)9:15 角谷ひとみ・井上公夫 『富士山宝永噴火(1707)後の土砂災害』
(24)9:30 林 信太郎・相澤幸之助
   『鳥海山1801年噴火以前に存在した溶岩スパイン-古絵図にのこされた不動石の記録』
(25)9:45 早川由紀夫・山縣耕太郎・藤田明良・金 泰鎬 『済州島の噴火記録と火山灰層序』


 [歴史上のさまざまな津波]
(26) 10:00 今村 文彦,高岡 一章,山木 滋・他
    『津軽藩御国日記の追加による寛保渡島沖津波(1741)の詳細調査』
(27) 10:15 山下文男 『明治三陸津波(1896)の捏造された「津波石」について』
(28) 10:25 山下文男 『昭和三陸津波(1933)における死者と行方不明者の比率の意味するもの』
 <休憩>10:35
(29) 10:45 加藤祐三・謝花恭子・城間美佳・渡辺康志
    『沖縄における1960チリ地震津波の現地調査(まとめ)』
(30)11:00 羽鳥徳太郎  『佐渡における津波の屈折効果』
(31)11:15 平川一臣・中村有吾・西村裕一
    『根室半島および十勝沿岸の古津波堆積物層序の比較とその意義』
(32)11:30 大谷 寛・佐藤広章・村上仁士・上月康則・倉田健悟
    『歴史資料にみる南海地震津波の避難行動に関する再検討』
(33)11:45 志方建仁・杉本卓司・村上仁士・上月康則・倉田健悟
    『津波防災施設の変遷に伴う人的被害発生メカニズムの変貌』


 [富山県沖の活構造]
(34)12:00 岡村行信・竹内 章・佐竹健治・池原 研・荒井晃作・七山 太・中嶋 健 『地質学的手法(潜水調査,堆積物,地質構造調査)に基づいた,日本海東縁の海底活断層評価の試み』
(35)12:15 佐竹健治・岡村行信・竹内 章 『富山深海海底谷最下流部の海底地形』


3.市民向け講演会
 9月8日(日) 14時〜17時 立山カルデラ砂防博物館 映像ホール
 「検証・1858年 飛越地震」
 コーディネーター 伊藤和明(立山カルデラ砂防博物館名誉館長)

1「安政五年(1858)年飛越地震について」 都司嘉宣(東京大学 助教授)

2「富山県の地震について」 川崎一朗(京都大学 教授)

3「跡津川断層系の地形地質と防災」 竹内 章(富山大学 教授)

4「カルデラに挑んだ一世紀 立山の砂防」 渡部文人(立山砂防工事事務所 所長)

5「昭和44年(1969)豪雨の体験から」 佐伯金蔵(清流荘 荘主)

6 総括                伊藤和明名誉館長

4.巡検見学会

 9月9日(月)

Aコース(健脚山班)
立山(集合場所:ホテル)815→大山町歴史民俗資料館835−900→有峰ビジターセンター(トイレ休憩)930−940→跡津川断層露頭1010−1050→六九谷1100−1120→多枝原1135−1150→立山温泉跡・泥鰌池1200−1250(昼食)→水谷対岸1310−1325→白岩砂防ダム1340−1400→水谷1415−1435⇒樺平1515⇒鬼ヶ城1540⇒中小屋1600⇒千寿ヶ原・立山砂防工事事務所1620

Bコース(穏健山班)
立山砂防工事事務所(集合場所)1000,千寿ヶ原1020⇒中小屋1040⇒鬼ヶ城1100⇒樺平1125⇒水谷1205−1250(昼食)→白岩砂防ダム1310−1325→水谷対岸1330−1345→多枝原1400−1410→立山温泉跡1420−1440→跡津川断層路頭(上から)1500−1515→有峰ビジターセンター(トイレ休憩)1540−1550→有峰口1620→千寿ヶ原・立山駅1630

Cコース(平野見学班)
立山(ホテル)830→称名滝(+砂防施設)850−1000→立山博物館(野外施設)+芦峅寺1030−1100→大山町歴史民俗資料館1110−1140→本宮・横江砂防ダム1140−1210→岩峅寺1220−1310(昼食)→常願寺右岸・水神の大転石1320−1330→浮田家1340−1410→延命地蔵尊1430−1450→富山駅北口1510→富山空港1540

大山町歴史民俗資料館の見学


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