第15回歴史地震研究会

 下記の通り第15回歴史地震研究会が開催されました。1998年は明応地震津波(明応七年八月二十五日=1498.9.11ユリウス暦)の500周年に当たったので、静岡県の協力を得て静岡県浜名郡舞阪町弁天島と同浜名郡新居町で開催されました。

1.日時:平成10年9月 9日(水)13時30分〜18時 研究発表
          10日(木) 9時〜12時 研究発表、
               13時〜17時 特別講演「浜名湖の災害と歴史を知る」
          11日(金) 見学会
           (奥浜名湖岸の明応・宝永・嘉永地震津波痕、新居関所資料館、舞坂宿脇本陣)

2.会場: 9月9日 浜名荘 〒431-02 静岡県浜名郡舞阪町舞阪字乙女園2994-1
     9月10日 新居町民センター大会議室(研究発表会)・大ホール(特別講演会)

3.世話人: 東京大学地震研究所 都司嘉宣・上田和枝

4.プログラム

平成10年9月 9-10日 研究発表会

1..渡邊健(大和探査技術)・宇佐美龍夫・八代和彦(東京電力) 20分

 歴史地震史料の再検討結果数例について

2.西山昭仁(大谷大学)20分

 元暦二年(1185)京都地震の被害実態と地震直後の動静

3.榎本祐嗣 (機技研)20分

 地震発光史料のデータベースと発光現象の特徴抽出

4. 中村 操(防災情報サービス)20分

 明応地震の史料状況について

5.井上公夫・今村隆正(日本工営)20分

 中部地方の歴史地震と土砂災害--天正地震,濃尾地震時に発生した土砂移動を中心に--

6.早川由紀夫(群馬大)・小山真人(静岡大)20分

 10世紀に十和田湖と白頭山で相次いで起こった二つの大噴火の年月日

7.小山真人(静岡大)20分

 歴史時代の富士山噴火史の再検討, および南海・相模トラフ地震との関連性

8.羽鳥徳太郎 10分

 貞観十一年(869年)宮城多賀城津波の推定波源域

9.渡辺偉夫(気象協会東北本部)25分

 896年(貞観11年)の三陸沖津波の実態と推定される波源
 ---少ない正史から実態がどこまで判るかの一例---

10.山下文男 10分

 波高38.2mの地に建立した「明治三陸大津波伝承碑」について

11.羽鳥徳太郎 15分

 関東・東海沿岸における津波波高の地域性

12.中村 操(防災情報サービス)20分

 明応南海地震について

13.伊藤純一・上田和枝(地震研) 20分

 延宝五年十月九日(1677)の関東東方沖津波の原因について 

14.中西一郎(京都大)20分

 貞享二、三年(1685, 1686年)の三河地震:吉田藩内で書かれた史料

15 都司嘉宣(地震研)・岡村 眞・松岡裕美(高知大)・村上嘉謙(地震研)20分

 浜名湖の湖底堆積物中の津波痕跡調査

16.中西一郎(京都大)20分

 奈良盆地で過去に発生した液状化現象

17.Brian F. Atwater( University of Washington)20分

 Geologic evidence for the 1700 Cascadia earthquake.

18.七山 太(地質調査所) 20分

 遡上型津波堆積物の堆積相解析−歴史津波堆積物研究へのプロローグ

19.岡野健之助・木村昌三(高知大学)15分

 宝永・安政・昭和南海地震による足摺半島の地盤の上下変動

20.坪川博彰・矢田部実(損害保険料率算定会) 15分

 阪神・淡路大震災被災世帯の経済的影響の調査

21.村上仁士(徳島大)・山本尚明(四国総研)・上月康則・後藤田忠久(徳島大)25分

 高知県宇佐における津波に対する安全性の検討

9月10日 特別講演会

特別講演「津波災害と、浜名湖の歴史を語る」

1.河田恵昭(京大学防災研):東海・東南海・南海地震とその津波による新しい被災形態

2.都司嘉宣(地震研):浜名湖地方を襲った歴代の東海地震の津波

3.神谷昌志(県史編纂調査協力員):郷土史全般

パネルディスカッション

都司嘉宣(地震研):司会

河田恵昭(京大学防災研)

神谷昌志(県史編纂調査協力員)

切池 融(新居関所資料館)

吉村理利(浜名漁協専務理事)


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