伊豆新聞連載記事(2011年4月24日)

伊豆ジオパークへの旅(46)

伊豆ジオパークの目標(6)ジオパークの拠点と説明資料

火山学者 小山真人

 ジオパークの運営組織であるジオパーク推進協議会は、来訪者のより所としても、またジオパークの認定審査を受ける上でも実体のない組織であってはならない。日本の多くのジオパークですでに実現しているように、ジオパーク推進協議会の事務局を地元に設置し、専任の担当者が複数常駐すべきである。伊豆半島ジオパーク推進協議会の事務局は、当面は伊東市役所内に設置されることになり、県と伊東市から1人ずつ職員が出向し、6月から研究員も常駐することが決まった。さらに、伊豆半島は広いので、この本部事務局のほかに、各市町に支部や出張所を置く体制を整備していくことが望ましい。
 ジオパーク事務局のほかに、観光客のための情報提供施設や、ガイドの常駐場所などの機能をもつ拠点(ビジターセンター)も必要である。これらの拠点は新たに建物を建てる必要はなく、交通の便のよい既存施設(道の駅、観光会館・公民館、大型のみやげ物販売所など)の一角で十分である。そこには受付担当者とガイドが常駐し、ジオパークに関する簡単な展示が見られるほか、パンフレット、ガイドブック、ガイドマップなどの資料を常備すべきである。こうした印刷物は、ビギナーからリピーターまでのさまざまなレベルを対象としたものを完備することが望ましい。
 紙ベースの出版物は、気軽に現地に携行できる利点がある反面、印刷費用の制限を受け、現地以外での入手の困難さや情報の更新頻度の点においても不利である。こうした状況において、インターネット上のホームページを通じて最新の情報が安価に得られることの利点は大きい。現代においてはネットで観光情報を収集した上で、旅行計画を立てるスタイルがごく一般的なものになりつつある。実際に国内外のほとんどのジオパークにおいて、充実した公式ページが立ち上げられている。
 伊豆半島ジオパークの認知度を高め、潜在的な観光客を誘致し、かつジオパークを訪れる観光客たちの旅行計画をサポートするために、わかりやすく充実したホームページを早急に立ち上げる必要がある。また、伊豆半島内の宿泊・観光施設でのインターネット接続状況は必ずしも良いものではないので、そうした点も改善し、旅行者の利便性を図っていく必要がある。
 また、その土地がジオパークであることを観光客に主張するとともに、住民の気持ちを盛り上げるためにも、ジオパークの名前・ロゴマーク・キャラクター等を使用したのぼり、横断幕、ポスターなどを作製し、ジオパーク内の各所に配置する必要がある。



道の駅「てんきてんき丹後」の中にある、山陰海岸ジオパークのインフォメーション・カウンター。

 

日本のジオパーク各地域のパンフレット・ガイドブック類。

 

もどる