本州に衝突し,陸地となった後の伊豆半島では,あちらこちらで噴火がはじまり,たくさんの大きな火山体ができました(図4:伊豆半島のおいたち).
天城山(天城火山)や達磨山(達磨火山)は,この時さかんに噴火していた火山です(写真9,10).達磨山の南にある棚場山(棚場火山),そしてさらに南の猫越(ねっこ)岳(猫越火山),長九郎山(長九郎火山)もこのころできた火山です.
箱根山の南,現在伊豆スカイラインが通っている稜線もかつて火山がならんでいた場所でした.北から湯河原火山,多賀火山,宇佐美火山という名前がついています.南伊豆町のマーガレットラインの走る高原も蛇石(じゃいし)火山と呼ばれる火山がつくった地形です.
写真9:伊豆半島中東部にある天城火山の溶岩流.溶岩の冷却にともなってできる板状の節理が美しい.天城湯ヶ島町本谷林道にて.
写真10:伊豆半島北西部にある達磨山.かつての火山体(達磨火山)のなごりである,なだらかな地形をそなえている.南方より望む.左後方に富士山が見える.
そして,20万年前頃になると,箱根火山をのぞく他の火山はすべて活動を停止してしまいました.これらの火山体はその後大きく浸食され,かつての火口の正確な位置もよくわからないほどになりました(図4:伊豆半島のおいたち).