▲大正15年(1926)富士山で被害地震

 1926年(大正15)8月15日の都(みやこ)新聞によれば,8月13日13時30分に富士山で地震を感じ,登山道ぞいでは岩石が崩れ,水溜が砕けて水が流出した.登山者にけが人はなかった.
 この地震は,中央気象台(1926)に「8月13日13時28分頃の富士山麓の地震」として記録されており,甲府・沼津・東京・熊谷で微震のほか,沼津管内御殿場で強震,沼津管内加島および甲府管内中野・大原・龍王・鰍澤・三富・宮本などで弱震とあり,震央は富士山南東麓で沼津の北微西36kmの地点となっている.
 宇佐美(2003)はこの地震を収録していないから,被害は火山体上だけに限られたと思われる.後述の1987年の地震と同じ特異な地震かもしれない.


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